FDA申請


FDAに対する市販前申請にはいくつか種類があります。

米国で機器を合法的に販売するためにはFDAに申請書を提出しなければならず、その最も一般的な形式が510(k)市販前通知申請とPMA市販前承認です。
他に、あまり知られていませんがデノボ(De Novo)と呼ばれる市販前申請があります。

FDAはこれらの申請に対し、市販権利を認可[510(k)]、承認[PMA]、承諾[デノボ]といった判断を下します。

この他、FDAへの申請には、事前申請(Pre-Sub)、治験用機器免除 (IDE)、人道機器免除(HDE) やマスターファイルが挙げられます。

最も一般的な申請について、以下でより詳細に説明します。

510(k) 申請

ヒトへの使用を目的とし、PMA(市販前承認)を要求しないクラスⅠ、Ⅱ、Ⅲの機器を米国で販売したいと望む企業は、その機器が連邦食品医薬品化粧品法(連邦法)の510(k)要求事項を免除されている場合で、かつ機器分類規制に関するチャプター(章)9(例:21 CFR 862.921 CFR 864.9) にある免除の制限に当たらない場合を除いて、FDAに510(k)申請を提出しなければなりません。

510(k)は、市販しようとする機器が、PMAの対象にあたらず合法的に販売されている機器と少なくとも同程度に安全かつ効果的(実質的に同等)である、ということをFDAに示すために行う事前申請です。
申請者は、自らの機器を法的に市販されている単数または複数の類似機器(比較同等機器)と比較し、実質的に同等であると主張し、それを立証しなければなりません。

申請者が機器の実質同等性を宣言する許可書を受領するまで、申請者は機器の市販を進めることはできません。

機器が実質的に同等だと判断された時点で、初めて米国内での販売が可能となるのです。

PMA

PMA(市販前承認)とは、クラスⅢ医療機器の安全性及び有効性を評価するための科学的そして規制的なFDAの審査工程であり、機器市販申請のうち最も厳しい審査となっています。

クラスⅢ機器とは、人命の維持または支持をする機器、そしてヒトの健康機能障害の防止に非常に重要な機器、あるいは疾病又は怪我の潜在的かつ不合理なリスクを与える可能性を示す機器です。

クラスⅢ機器にはこういったリスクがあるため、一般管理と特別管理のみではその安全性と有効性を保証するには不十分であるとFDAは判断しています。
そのため、これらの機器を販売する許可を取得するためには連邦法のセクション515の下、PMAの申請が義務付けられています。
但し、クラスⅢの改正法前機器の中にはクラスⅢの510(k)が必要となる場合がありますのでご注意ください。

PMA申請には通常、非臨床研究と臨床試験に分類される技術的部分が含まれます。
そして通常、PMA承認前に対象施設の査察が行われ 21 CFR 820への適合が確認されます。

デノボ(De Novo)

「デノボ(De Novo)」とは、リスクが軽度から中等度の新型機器で有効な比較同等機器が存在しない場合に対処するための申請方法です。

デノボ申請の審査合格を受け、FDAはその機器に対する分類を作成、必要な場合には規則を設けます。
そして、実質的同等機器の将来的な市販前申請に必要となる特別管理を特定します。

軽度から中等度リスクの新型機器を有する企業がデノボを検討する際、二つの選択肢があります:
ひとつはFDAに510(k)を申請し「実質的に同等でない」という判定を受けた時点でデノボ申請を行う、あるいは先に510(k)を提出することなくデノボ申請を行うという選択肢です。

デノボ工程を通じて分類された機器は市販することができます。
また、将来の510(k)申請に比較同等機器として使用することができます。

事前申請(Pre-Sub、プレサブ)

事前申請(Pre-Sub)は、FDAからのフィードバックを得るために行われます。

事前申請を行う理由は、会議の要請、リスク判定の研究、申請に関する問題、並びに保留中の申請またはプロトコルに関連する具体的な質問に対してFDAからフィードバックを得るなど様々です。

事前申請プログラム(以前はPre-IDE プログラムとして知られていました)の主な目的は、IDEの意図された申請または市販申請に先立ちFDAからのフィードバックを受けられる機会をスポンサーに提供することです。
さらに、この事前申請プログラムでは無有意リスク(NSR)機器の研究、或いは米国での将来的な市販申請を支援するために米国外で実施される臨床研究など、IDEを必要としない臨床研究のプロトコルを開発しているスポンサーに対して当局が助言を与えるメカニズムも提供しています。

その結果、事前申請プログラムは当局が目標とする新しい医療機器の開発を促しつつ、機器のコンセプトから市販までの効果的な道すじを提供しています。